ふるさと納税が実際にどのように活用されているのか、ここでは、岡山・山口・愛媛で行われた活用事例を見ていきましょう。各自治体によって様々な事業が展開されています。

岡山県玉野市のケース

岡山県玉野市では、玉野市出身の漫画家である「いしい ひさいち氏」の4コマ漫画キャラクター「ののちゃん」をイメージキャラクターとして採用して、地域のPR活動を行っています。具体的な活動としては、小学校や幼稚園での挨拶運動や市の知名度を上げるPR活動です。ふるさと納税で「ののちゃん」の傷んだ衣装の更新やシティセールスの活動費用などにあてるなど、報道などでも取り上げられるほどの注目を集めています。活動内容の報告や「ののちゃん」の着ぐるみ完成お披露目会など、寄付者との繋がりを大切にしながら玉野市の発展に貢献しています。

山口県宇部市のケース

山口県宇部市では、地域外に若者が流出している事態を避けるべく、地元定着を目指しています。山口大学工学部と宇部高等専門学校が連帯して、ICT分野や先進テクノロジー分野での人材育成を図るために、テクノロジー×アートチャレンジ講座が行われています。クラウンドファンディング型のふるさと納税を活用することで、デジタルアート作品を作成したり発表したりできる環境は、参加者のスキルアップを図る場として最適です。寄付者にはデジタル作品の発表イベントの招待状が送られるなどして、形となった結果を目にすることができます。ふるさと納税をすることで、地域に貢献できたとわかりやすく実感できるのではないでしょうか。

愛媛県西予市のケース

愛媛県西予市の地元住民の憩いの場として、昔の賑わいを取り戻したいと始まったのが、古民家を改修して、新たな地域コミュニティを目的にしたCaféやBarの事業でした。起業に関わる経費をふるさと納税で募集するという形をとりながら、町の活性化やコミュニティづくりへの想いを伝えた動画を作成しています。報道機関で広報活動を行うなどの活動に反響が出たことで、運営に必要な施設整備や備品類の準備ができるほどの効果を生み出しました。

西予市以外の自治体でも、子育て世代の交流イベントや新しい店舗が展開されるようになるなど、今後の活性化も見込める事業と呼べるでしょう。寄付をした人たちからも、お店やイベントに寄ってみたいという声が多く集まっているようです。

ふるさと納税の寄付によって、実際にどのような事業が展開されているのかについて、肉とお米のふるさと納税が岡山・山口・愛媛の活用事例を紹介しました。

ふるさと納税は、出身地の知名度を上げるだけではありません。みんなが集まるような憩いの場を提供したり、未来の地域を支える若者たちが地元に定着するような働きであったりと、多くの事業展開に多大な影響を与えています。出身地はもちろん、 共感したり応援したりしたいと感じた事業に寄付できるふるさと納税を活用して、国内の自治体などのチャレンジに協力してみてはいかがでしょうか。