ふるさと納税をする場合、毎年締め切りがあります。

2020年の寄付は2021年の税金控除の対象となるため、2020年1月1日～2020年12月31日までの分を確定申告することになります。ワンストップ制度を利用する場合は、申請書は2021年1月10日までに提出するようにしましょう。

ただし、あまりにも年末ギリギリの場合は、自治体側や寄付ポータルサイトでシステム処理ができなくなり、翌年に持ち越されることもあります。詳しくはそれぞれの自治体のホームページや寄付ポータルサイトをご確認ください。

ふるさと納税は納税者にとってたいへん嬉しい制度ですが、納税額によって控除が受けられる限度額があります。夫婦は共働きの場合、両者ともふるさと納税を利用することは可能なのでしょうか？

ふるさと納税で控除されるのは、所得税・住民税の一定割合部分であり、仕組み上、2,000円を超える控除額が必要です。夫婦共働きでお互いの名義で所得税・住民税を納めている場合は、それぞれに利用可能ですが、妻がパートで所得税・住民税を納めていない場合は、夫のみがその対象となります。

パートの場合、所得税が必要な年収は103万円、住民税は98～100万円とされているため、それ以上の収入があることが条件となります。実際に、ふるさと納税でメリットがあるのは年収200万円以上とされています。

夫と妻の控除可能額を合算し、高額のお礼の品を希望することもできません。ふるさと納税の控除枠は1人1人別々ですので、間違いのないようにしましょう。また、お礼の品を依頼する際、夫と妻の名前を間違えてしまうと控除が受けられません。寄付金受領証明書の名義はよく確認するようにしましょう。

ふるさと納税の始まりは2008年であり、東日本大震災や自治体による返礼品の激しい競争などを経て、現在の制度になったのは2019年6月以降です。2008年当初はたいへんお得な制度ながら知名度が低く、利用者の数もまだまだ少ない状況でした。その後、各自治体による返礼品の還元率競争が起こり、寄付金を受ける金額に大きな差が出たため、2018年には総務省より「返礼品は寄付金額の3割まで」という通達が出されることになりました。

しかし一部の自治体が従わなかったため、2019年6月からは、ふるさと納税を自治体が利用するには、国による指定を受けることが必要となりました。もし、指定を受けていない自治体に寄付をした場合は、控除を受けることができません。

現在では還元率が当初よりかなり抑えられることになりましたが、還元率競争に巻き込まれることなく、地方の名産品を選ぶことができるようになりました。