いざ、ふるさと納税をしようとしても、自分が寄付したお金がどのように使われていくのかわからないと、なかなか安心して行動に移せないものです。実際にそれぞれの地域でどのようにふるさと納税が活用されているのか、3つの自治体で行われた活用事例をご紹介します。

千葉県南房総市のケース

千葉県南房総市では、減少傾向にあるアワビの漁獲高を回復させ、「つくり育てる漁業」を実現するために、アワビの稚貝放流事業やサザエの放流事業に力を入れています。ふるさと納税を事業の財源に活用するために、クラウドファンディングとして募ることを実施。クラウドファンディングとして募ることで、独自の3年輪採方式と呼ばれるアワビの稚貝の育成法が、内閣総理大臣賞を受賞するほどの結果を生み出しました。また寄付者の共感を得るために、現場の状況や漁業における後継者問題などをわかりやすく説明したり、寄付者を招待して稚貝の育成をしている様子を見学できるようにしたりしたことが評価されたポイントといえるでしょう。

岩手県のケース

岩手県では、東日本大震災からの復興を目指すためにふるさと納税が実施されました。具体的には、ラグビーワールドカップ2019の盛り上がりを手がかりにした、観光客受け入れの基礎整備や三陸鉄道の復興支援を行う事業の資金集めとして活用されています。寄付を募った結果、観光路線だけでなく、住民たちの生命線とも呼べる生活路線も安心安全な運行ができる整備が行えるようになりました。ふるさと納税は復興の一つとして活用されています。ふるさと納税がきっかけで復興状況を寄付者に伝えることに役立つだけでなく、三陸鉄道や観光への関心を高める要因となっています。

青森県むつ市のケース

青森県では、下北半島で生まれた文化遺産や自然遺産を見つめ直す一環として、観光促進や教育に活用する下北ジオパークの取り組みが行われています。中でもむつ市では、市内小学校での体験学習や周知広報活動の費用として、ふるさと納税が活用されています。ふるさと納税で集められた資金によって、学習や研究活動発表会が盛んに行われたり、日本郵便株式会社と連帯して一人暮らしの高齢者への「みまもり訪問サービス」が行われたり、地域の活性化が進んでいるといえるでしょう。これからもふるさと納税を続けていくことで島の文化を伝えるとともに、遠くに住んでいる家族と高齢者をつなげる架け橋になるような取り組みを目指しています。

肉とお米のふるさと納税が、各自治体によって活用されている産業復興に関するふるさと納税の実例を紹介しました。それぞれの特産品をアピールすることで、町の復興や新商品の開発など、自力だけでは集まりにくい資金を獲得できます。ふるさと納税を活用して、新しく動き出せるようになった自治体も多く出てきています。自分の出身地をはじめ、日本全体を応援できるふるさと納税を利用して、各自治体の活動をサポートしてみてはいかがでしょうか。

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